伊藤えり
旅する笙奏者
伊藤えり Eri ITO
東京芸術大学音楽学部楽理科卒。
故・多忠麿(笙奏法、雅楽合奏)、芝祐靖(雅楽合奏)、多忠輝(笙奏法、右舞)、松井北斗(右舞)、宮田まゆみの各氏に師事。
多忠麿師のご指導のもと、86年より宮内庁楽師および民間の演奏家からなる雅楽演奏団体「東京楽所」に参加。
有職故実・皇室文化の一端としての雅楽だけでなく、高い芸術性と完成度を備えた、世界に誇れる芸能としての雅楽の魅力を知るようになる。
長年、主に古典のみの演奏と舞を主体として活動をしてきたが、近年は古い音楽に新しい響きを加えることに魅力を感じるようになり、笙や竽を用いた曲作りを始める。
チャリティーのためのCD「祈りの海へ・・・」(朗読・江原啓之氏)を総合プロデュース、演奏、製作。
現在はフリーの活動を中心に、古典の雅楽の魅力、笙の魅力を伝えるべく、各地でソロのワークショップやコンサート、レクチャーコンサートなどを開催している。
●主な演奏歴
1986年より故・多忠麿氏の指導の元に、雅楽演奏団体「東京楽所」参加。
「サ ントリーホール1周年記念ガラコンサート・響」、1987年~「国立劇場主催 雅楽・声明公演」、「芸術祭祝典~武満徹・もうひとつの世界」(国立劇場、 天皇皇后両陛下ご観覧)、「ティータイムコンサート・雅楽公演」(カザルスホール)、「飛騨古川音楽祭」、「太田市市制45周年記念・舞楽法会」、 「東 京の夏音楽祭・舞楽法会」(サントリーホール)、「夢交響舞台」(新国立劇場)、「JASRAC・日本の音in うえはら~耳なし芳一」(けやきホール)、「第10回神奈川国際芸術フェスティバル・舞楽法会」(神奈川県立音楽堂)、「KIRILOLA コンサート」 (目黒パーシモンホール)、リサイタル「伊藤えり・雅楽コンサート」(アミュゼ柏)、”When two phoenixes meet"(香港)、厳島神社奉納演奏(音輪会にて参加)など(詳細はArchive 参照)。
その他、銀座雅楽堂定期公演、生田・山田箏曲演奏会での賛助出演、神社仏閣での奉納演奏・および奉納舞。
また、小学校での体験学習やホスピス、ケアホームでの演奏、デモンストレーションなども個人で行っている。
2011年5月より奈良県奈良市在住。
国内外で演奏やレクチャーを行なう。
●CD・録音
東京楽所にて「源氏物語の音楽」、「雅楽の稀曲」(2枚とも日本コロムビア)録音参加。
2009年、自身のプロデュース&演奏・構成により、CD「祈りの海へ・・・きぼうのいえ・めもえりある」(朗読・江原啓之)を製作。
笙 だけでなく、ピアノやガムランの楽器(サロン)、浄土宗の読経などの様々な素材を盛り込みながら、江原氏が朗読する「アッシジの聖フランチェスコの言葉」 や「マザーテレサの言葉」などを収録。古典からは調子2曲を収め、宮内庁楽師(松井北斗氏)の模範的な演奏も楽しめる、非常にユニークな1枚。
山谷のホスピス「きぼうのいえ」との出会いによって生まれたCDで、収益金の一部はチャリティーとして「きぼうのいえ」に寄付されている(現在、チャリティーは終了)。
その他TV、劇場音楽などのレコーディングに参加。
●レクチャー、講義など
2011年10月 "The Mystery of the Sho" 香港大学本部にて、現地学生に講義。
2012年5月、2014年6月の2回 Stanford 大学 Jaroslaw Kapuschinski 准教授の日本での講義の一環で、雅楽のなかの「間」について講義を行う(於・京都・Stanford 大学日本校)
2013年10月より、毎日新聞社京都支局内ホールにて、「レクチャーコンサートシリーズ・笙の響きと雅楽の愉しみ」を開催。
●ワークショップなど参加歴
韓国・国立国楽院主催 「外国人音楽研究者のためのワークショップ」参加(韓国、ソウル)
●海外公演
1998年「世界に雅楽を広める会」(チェコ4都市公演)、同年、伶楽舎海外公演(イギリス4都市)
2000年 伶楽舎海ヨーロッパツアー(ドイツ、ベルギー、ノルウェー4都市)。
2011年 香港 "When two phoenixes meet - Loo Sze Wong & Eri Ito"
香港大学の招聘により香港のSheng奏者、Loo Sze Wang氏と共演。
2012年 香港 "Beyond the boundary" Wuji ensemble(無極楽団)公演にて、琵琶奏者の王梓靜と共演。